お袋が、長話を始める
実家に顔を出したところ、お袋が、長話を始める。 こういうときは、たいてい良くないことなのだけど、なにやら、叔父が、親戚総代で管理していた墓を、叔父が亡くなり数年たち、叔母が電車に乗り継いで墓参りするのも大変なので、家の近所の寺に移すことを、独断で決めてしまった、と。 いわく「それを聞いてから、気持ちが落ち着かない」と。 昔から、言うべきとき、やるべきときに、誰かに遠慮して、それをやらず、後になって、「ああすれば良かった、こうすれば良かった」と、他人を巻き込んで、嫌な思いをさせるので、さすがに嫌気がさし怒ると、涙ぐむ。 まぁ、独断でやったのは、さすがにまずかろうと、自宅に戻ってから、叔母に電話。 が、叔母いわく、3週間前に、パンフレットまで準備して、こちらの最寄りの駅まで来て、説明しようと電話したら、お袋は、「別にいい」と言ったと。 お袋に確認したところ、「言った覚えがある」と。 結局、完全に、自分で言ったことを棚にあげて、後から、お袋がグジグジ言ってる構図。 頻繁に墓参りしてるし、爺さんがいわくつきで購入した墓地だけに、いろいろと思い入れのあるのは、確かだろうから、明日、お寺に電話して、そのまま維持できるか確認。 もしそのままにできるなら、墓地代や、永代供養料は、俺が負担することに。 墓地も名義が変わるので、新規扱いになれば、100万単位で費用が発生するはず。 この忙しい時期に、寺まで出向かなければならないし、叔母にしたって、筋を通したのに、なんで今さら、という話にもなるだろうし。 お金に関しては前から覚悟していたことだから、良いのだけど、親というものは、体力以外でも、感情的な部分で、衰えてくるのだな、と、しみじみ思う。 両親とも、今まで健康なのが、恵まれているのだけど。 俺がどれだけ、人間関係も仕事もシンプルにしたい、それで人生が終わっても仕方がない、と思っても、これだけは、逃げられない。 これからは、こういうトラブルも、俺一人で全部受け止めなければならない、ということを、覚悟せねば。 願わくば、俺の今までの人生経験で、すべてうまく交渉でき、良い具合に着地し、後悔や怒り恨みを残さない結果になれば。 引越しも延期だなぁ…。