親戚づきあいにも終わりが来る
いろいろと話を聞いて、「爺さん婆さんとしても、かたくなに、その場所で墓を守って欲しいということでは、無かったのではないか?」と思い、朝一で、実家に顔を出し、お袋に意思を確認。 1時間ほど猶予をつくって電話で意見を聞いたところ、「墓を移転することを了承する」と。 すぐに、その旨、叔母に電話したところ、なにやら雲行きが怪しい。 どうも、お袋が後からゴチャゴチャ言ったことに、腹にすえかねているようで、さらに俺が「墓の維持費を出しても良い」と言った言質をとって、爺さん婆さんの骨はそのままにして、叔父の骨だけ移動するので、後は、すべてまかせるの一点張り。 それなら、寺との契約の引継ぎもあるから、寺に顔だすときに俺も行きますよ、と伝えると、こっちはこっちでやるから、後は勝手にやってくれ、と。 もう、押し付けたい一心がありあり。 今までよくしてくれたし、そもそも、姓の違う俺が口をだす話じゃないので、感謝こそすれ恨みはしないけれど、その豹変ぶりに驚く。 お袋に伝えたところ、お袋も電話をしたようだけど、やはり、とりつくしまが無いとのこと。 昨日、お袋の言うことを真にうけ、叔母が独断で決めたと思い、お袋に、言いたいことははっきり言ったほうが良い、と、けしかけてしまったことを後悔。 俺が悪者になってでも、あえて口を出して、叔母に事情を聞いてから、お袋と話すべきだった。 お袋は、一度、墓を手放すことを決断した以上、わりきれないところもあるだろうけど、一度、承諾したのに、あとからゴチャゴチャ言ったのはお袋だし、俺としても、爺さん婆さんの骨の押し付け合いみたいな、みっともないことはせず、今後、墓と骨を守ることに、腹を決めた。 おそらく、叔母の家とも険悪な関係になる。 俺としては、上っ面の会話だけの法事には、うんざりしてたし、疎遠になることは、一向にかまわないのだけど、親戚づきあいを大事にしたいタイプのお袋は、どんどん親戚関係が薄くなってしまうのが、気の毒ではある。 ほんのボタンの掛け違い、ちょっとした感情のすれ違いなのだけど、あちらさんも歳をとっただけに、もう、どう思われても良いのだろうね。 親戚づきあいにも終わりが来る。 親も、そう割り切ってくれれば良いのだけど。